さっそくどうぞ。
+-+-+-+
ドンウクたちはイナの元へ向かっていた。
チャンモ「そうだ。イナのやつ、作曲やってんのか?」
ドンウク「ほとんど出来てるはずだ」
ヘジョン「今度の合宿練習、私たちも連れてってくれるよね?」
ドンウク「もちろん。とりあえずイナと一杯やりながら話そうぜ」
ヘジョン「^^」
ドンウク「あ、ユニも絶対連れて来なきゃダメだぞ」
+-+-+-+
イナを待ちながらアトリエを見渡していたユニは、ふと扉が少し開いているロッカーに目が止まった。
それはイナが閉めたつもりで、閉まらないまま開いてしまった古いロッカーで…。
気になって扉に手を掛けるユニ。
水汲み場で顔を上げたイナは、ハッとして流れている水もそのまま全速で走りだした。
「ギィーー」
鈍い音を立てて開いたロッカーの中には、イナの描いた絵が無造作に置かれていた。
ユニは一番奥に覗いている大きなカンバスに気づき、上に重なっている絵をそっと退けてみる。
「ガタン!」
思わず手を引っ込め、後退りするユニ。
バラバラと床に散らばったカンバスには長い髪の女性がいくつも描かれており、
一番奥に露わになったカンバスには、お気に入りの場所で本を広げる自分の姿が鮮やかに描かれていた。
+-+-+-+
猛烈な勢いでアトリエにイナが飛び込んできた。
一直線にロッカーへと向かったイナの目に入ったのは、床に散らばった絵を拾い上げようとしているユニだった。
イナの姿に目を丸くするユニ。
慌てて立ち上がった彼女は、たまらずその場を走り去った。
#こんな衝撃のシーンで流れるのどかな選曲がまたたまらんw
#衝撃といってもユニにとっては嬉しいシーンだけど
外へ駆け出し、そこで立ち止まったユニに、追ってきたイナが声を掛ける。
イナ「ユニさん!」
思わずユニの手を取り、イナは走りだした。
人のいない場所へ彼女を連れてきた彼は、彼女を見つめ、口を開く。
イナ「ユニさん。話があるんです」
ユニは黙ってイナを見つめ返した。
イナ「絵のことは…」
ユニ「・・・。」
イナ「僕は…」
期待に胸を踊らせるユニ。
そこへ、向こうから賑やかに歩いてくるチャンモたちの姿が見えた。
思わず彼らに背を向ける二人。
彼らが通りすぎると、今度はユニが穏やかに口を開いた。
ユニ「話は…今度聞きますね」
イナ「・・・。」
ユニ「私はこれで」
イナ「…ユニさん!」
ユニ「?」
イナ「誤解しないでほしいんです」
ユニ「・・・。」
イナ「あの絵はたいしたことじゃない。僕にとってはただ…風景なんです」
ユニ「・・・。」
イナ「描こうとした風景の中にユニさんがいた。それだけのことです」
ユニ「話って…それだったんですか?」
イナ「・・・。」
ユニ「…そうなんですか?」
イナ「そのことだったんです」
ユニ「・・・。」
イナ「それに、手はもう大丈夫だから、もう弁当なんて持って来ないでほしいんです。友人たちが見たら変に思うかもしれないし」
彼女から目を逸らしていたイナは、苦しみにだんだんと語気を強め、彼女の方へと向き直った。
イナ「何よりもドンウクに誤解されたくないんです」
ユニ「・・・。」
イナ「僕にとっては誰よりも大切な友だちだから」
ユニ「…分かりました。誤解なんてしません。心配しないでください」
足早に立ち去るユニの背中を、たまらずイナは振り返り、それでもどうすることも出来ず目を背けた。
+-+-+-+
「ジャジャーン!ソ・イナ!」
アトリエに最初に入ってきたのは幸いにもチャンモだった。
ロッカーの前に散らばっている絵、そして奥に見えているユニの絵に気付いた彼は、
思わず入り口を確認し、慌ててロッカーを閉めて絵を拾い集める。
ドンウク「どうした?いないのか?」
顔をのぞかせたドンウクとヘジョンを慌てて外へ押し出し、アトリエの扉を閉めるチャンモ。
ドンウク「何だよ?どんな絵だったんだ?」
チャンモ「何のことだ?」
ヘジョン「落ちてたじゃない!何なのよ」
中を覗こうとする二人をチャンモは必死で止める。
ドンウク「ひょっとして、噂に聞くお前のヌード画じゃないのか?」
ヘジョン「?」
チャンモ「そ、そうだ!それがどうした!」
ヘジョン「ホント?私、見たことないのよね。一度だけ見せてよ。気になるわ!」
面白がって入ろうとする二人を、チャンモはどこまでも頑なに止めようとする。
チャンモ「そんなに見たいなら、直に見せてやるよ」
苦し紛れに服を脱ぎ始めるチャンモにヘジョンの悲鳴が上がった。
ドンウク「いいって。大したもんでもないのにさ」
「だからさっさと行こうぜ!」ここぞとばかりに二人の腕を組み、彼はそそくさとその場から離れた。
+-+-+-+
誰が一杯おごるのかモメながら階段を降りてくる3人。
ふと窓の外を見たドンウクは、一人で歩いているユニの姿に顔を輝かせた。
ドンウク「俺、先行くわ」
チャンモ「おい!」
二人を追い越し、走って出ていくドンウク。
+-+-+-+
嵐が去ったアトリエに、イナは一人戻ってきた。
床に散らばった絵に、思わずため息が漏れる。
+-+-+-+
結局、ヘジョンと二人で飲みにやって来たチャンモは、いつになく酒を煽り、ため息をついていた。
ヘジョン「一体何事よ?」
チャンモ「何事かって?説明してやろうか?xとyがいてな、xの相手はaでyの相手はbだ。でな、ax+by=0としてな、xとyはどっちもaの相手になっちまったら?ax+ayじゃ合わなくなっちまうだろ(←何かもうすみません^^;)あーだから数学嫌いなんだよ」
ヘジョン「だからそれってどういう意味なのよ?」
チャンモ「はぁ…」
じれったくて帰ろうとするヘジョンを止める彼を、「インスクを呼べばいいでしょ」と跳ねつけるヘジョン。
ヘジョン「チャンモ兄、ひどすぎるんじゃない?インスクがあんなに好きだって言ってんのに、可哀想だと思わないわけ?」
チャンモ「可哀想じゃなくて、羨ましいよ」
ヘジョン「え?」
チャンモ「好きなら好きだって人の気持ちもお構いなしに言える図々しさが羨ましいって言ってんだよ。世の中には事情があって口にも出来ない人がどれだけいると思う?」
ヘジョン「どんな事情よ?」
チャンモ「あるだろ。好きな人がいるのに、もう他の人が好きな相手だったとか。その人は他の人のこと好きだったとか。到底好きになれない相手だったとか?」
ヘジョン「それは卑怯ってものよ」
チャンモ「何だって?」
ヘジョン「そうでしょ。そのせいで言えないのはただの言い訳よ。傷つかないための言い訳。好きなら言えばいいのよ。卑怯だわ」
チャンモ「…そうか」
ヘジョン「そうよ。私なら当然言うわ」
チャンモ「…そうか」
ヘジョン「もちろん。無条件でね」
チャンモ「・・・。」
ヘジョン「ところで、言えないっていうのは誰のこと?」
チャンモ「…好きだ」
ヘジョン「?」
チャンモ「好きだって言ってんだ」
ヘジョン「え?」
チャンモ「・・・。」
ヘジョン「誰が誰を?」
チャンモ「・・・。」
ヘジョン「…!何よ全く」
立ち上がろうとしたヘジョンの手首を咄嗟に掴んだチャンモは…
チャンモ「俺がお前のこと!最初っから好きだった!けど俺の事情は弟が5人もいる貧乏一家の長男だし、お前は他の人が好きだから言えなかった」
ヘジョン「・・・。」
チャンモ「あ゛ー!」
思わず立ち上がったチャンモは「やっぱり言わないのが正解だろ!」と店を出て行ってしまった。
ヘジョン「…何なのよ」
+-+-+-+
バスを降りたユニは、後をついて来るドンウクを厳しい表情で振り返った。
ユニ「アルバイトに行くところなんです。もう一人で行きますから」
歩き出したユニをそれでも追いかけるドンウク。
ドンウク「何かあったの?」
ユニ「・・・。」
ドンウク「いやぁ、怒った顔も可愛いな」
ユニはもう一度立ち止まり、彼に向き直る。
ユニ「もう今度こそやめてください」
ドンウク「ついて行くこと?」
ユニ「・・・。」
ドンウク「それとも、君を好きでいること?」
ユニ「一体どこが好きなんですか?」
ドンウク「?」
ユニ「一体私のどこが好きなんですか?!私のこと何も知らないのに」
ドンウク「・・・。」
ユニ「…もうやめてください」
歩き出したユニの背中に、ドンウクの声が飛んだ。
ドンウク「ある人に似てるんだ!」
ユニ「・・・。」
ドンウク「好きな理由。ある人に似てる気がして」
ユニ「?」
ドンウク「幼い頃に亡くなった…母さんに」
ユニ「・・・。」
ドンウク「(苦笑)こんなのは理由にならないかな」
彼を見つめるユニの目がどことなく和らいだ。
+-+-+-+
どれくらいそこに座っていたのだろうか。
立ち上がったイナは、床に散らばった絵を拾い始めた。
+-+-+-+
ユニ「私も幼いときに両親を亡くしたんです」
ドンウク「!」
そこへ急に降りだした雨が激しい音を立て始める。
咄嗟に彼女の手を引き、近くのレコード店の軒先に駆け込むドンウク。
#カーペンターズのclose to youだ。この歌一番好き♪
ドンウク「付き合おうか」
ユニ「?」
振り返ると、ドンウクはまっすぐな目で彼女を見つめていた。
ドンウク「俺と…始めよう」
ユニ「・・・。」
「誰かの始まりは 誰かの終わりだ」(声:イナ)
+-+-+-+
イナは描き始めたばかりの彼女のデッサンを手に取っていた。
「愛が始まるのに3秒かかった。だけど、愛を終わらせるのに3秒では足りなかった」
彼は雨の中、外へと走りだす。
「あの日、ある人は卑怯で、ある人は正直で、ある人は心ときめいていた」
+-+-+-+
走った末にどこかに辿りついたイナは、メモを片手にキョロキョロしながら歩いていた。
そこへ、向こうから歩いてくるユニの姿を見つける。
思わず後ずさり、物陰に隠れるイナ。
彼女の横にはドンウクがいた。
そっと覗く彼の前で、楽しそうに笑いあう二人。
「そして、僕たちは皆、少しずつ青春の傷みを感じていた」
+-+-+-+
ラジオの公開放送に向け、合宿に出掛けるイナたち。
やる気満々で列車に乗り込もうとしたチャンモをドンウクが引き止めた。
ドンウク「女の子たち待ってなきゃダメだろ」
チャンモ「え?あ、だからさ、先に乗って座席の確認しようと思ってな」
ドンウク「インスクのこと避けたいんだろ」
チャンモ「あ、あぁ、そうだ、そうだよ」
イナ「それなら俺がインスクさんの横に座ってやるよ。お前はヘジョンと座ればいい」
チャンモ「何言ってんだ!誰がヘジョンと座るもんか!俺はあいつなんか嫌いだ…」
そこへチャンモの背後からヘジョンとインスクが現れた。
チャンモ「(気づかず)あいつのそばにいてみろ、香水と化粧の匂いでクラクラする。それに口を開けたまま寝るだろ!」
彼女たちの姿が見えているイナとドンウクは、ニヤニヤしながらチャンモの話に頷いてやる。
チャンモ「とにかく!ヘジョンよりインスクさんの方が100倍マシだ、100倍!」
ヘジョン「そう?」
チャンモ「!!!」
驚いて振り返ったチャンモの肩をインスクがバシバシと叩く。
ヘジョンよりいいと言われ、嬉しくてたまらないのだ。
ヘジョン「ユニは?まだ来てないの?」
イナ「・・・。」
チャンモ「来るだろ。もうすぐ時間だ」
俄に緊張し、ドンウクが姿勢をただした。
ドンウク「みんな、実は…来ないかもしれない」
ヘジョン「どうして?」
チャンモ「何で?」
ドンウク「俺、付き合おうって言ったんだ」
ヘジョン「ホント?」
チャンモ「ホントか?」
イナ「・・・。」
ドンウク「今日来たら、俺の気持ちを受け入れたんだって思うことにする。そう言った」
イナ「・・・。」
ドンウク「もし断るつもりなら、来ないかもしれない」
イナの顔を見て、ドンウクは穏やかに微笑んだ。
+-+-+-+
列車に乗り込むチャンモ。
彼が席にたどり着くと、4人がけの席にはすでにヘジョンとインスクが座っていた。
二人に見つめられ、しばし硬直していた彼は、じっとヘジョンを睨みつけたままインスクの隣に腰を下ろした。
インスク「そんなに冷たくしたらヘジョンに悪いでしょう~」
ヘジョン「(笑み)ユニは来ないつもりかな」
チャンモは思わずため息をつき、ボソッと漏らす。
チャンモ「来なきゃいけないのか、来ちゃいけないのか、一体どっちなんだ?」
ヘジョン「?」
チャンモ「来ても心配。来なくても心配」
インスク「何が?」
チャンモ「え?何でもないよ(ため息)」
+-+-+-+
発車が近づいていた。
「早く乗ってください!」走ってくる乗客に車掌の声が飛ぶ。
イナとドンウクはじっと駅の入り口を見つめ、ユニを待っていた。
ドンウク「はぁ…。来ないみたいだな」
ため息をつくドンウクの横で、イナはキョロキョロと彼女の姿を探す。
来れば辛いし、会えなければ寂しい。彼の胸の内は複雑だ。
ドンウク「俺たちまで乗り遅れる。乗ろうぜ」
先に乗ったドンウクの後ろで、イナはもう一度改札口を見つめた。
イナ(心の声)「今日会えなければ、もう二度と会えないかもしれない」
列車に乗り込んだイナは、最後にもう一度振り返り、彼女の姿を探す。
発車を告げる鐘の音が鳴り響いた。
そこへ…
彼の目に飛び込んできたのは、走って近づいてくるユニの姿。
彼は思わず手を大きく上げた。
イナ「ここだよ!」
ユニ「!」
イナ「ここだよ!ユニさん!!!」
走りだした列車の扉から身を乗り出し、必死に手を差し出すイナ。
夢中で走ったユニはやっとのことで彼の手を掴んだ。
力強く引き寄せられ、列車に飛び乗ったユニをイナの胸が抱きとめる。
・*:.。..。.:*・゜(*´∀`)。. .。.:*・゜゚・*ポワワワァァン
ゆっくりと体を起こしたユニはうつむいたまま口を開く。
ユニ「ありがとう」
イナ「・・・。」
そこへ…
ドンウク「来たんだね!」
イナはそっと掴んでいた彼女の手を離した。
ユニの登場に次々とやって来て歓声を上げる仲間たち。
ユニの顔にも笑みがこぼれた。
ヘジョン「来たのね!」
ドンウク「ありがとう」
インスク「おめでとう~!」
チャンモ「何だよ?じゃあお前ら付き合うのか?」
否定することもなく、友だちに誘われるまま笑顔で中へ入っていくユニ。
イナは力なく目を逸らし、それでも彼らに続いた。
+-+-+-+
柔らかい日差しの中、人一人がやっと通れる橋の上を彼らは歩いていた。
たどたどしく歩くユニの数メートル後ろで彼女を見守るイナ。
そんなユニの前から戻ってきて荷物を持ってやるドンウク。
二人を見送ったイナの後ろからやって来て、彼の背中をそっと掴むヘジョン。
そんなヘジョンに歩調を合わせ、ゆっくり歩き出すイナ。
おんぶしてくれと駄々をこねて座り込むインスクに手を焼き、背中を貸すチャンモ…。
6人はそれぞれの歩調で、一本道を進む。
+-+-+-+
目的地に到着した彼らは、楽しく遊ぶうち、隠れんぼになる。
ドンウク(鬼)「9、10…」
ちょうど姿の隠れるススキの茂みの中にどっしりと腰を下ろしたチャンモのそばに、ちょうど走ってきたインスクとヘジョンは、彼に気づいて足を止めた。
インスク「ここがちょうどいいわ!」
チャンモとヘジョンの間に流れる一瞬の沈黙。
チャンモ「インスクさん、こっちへおいでよ」
さっさと彼の隣に座ったインスクを見て「私だって気は効くのよ」と笑ってその場を去っていくヘジョン。
チャンモ「ヘジョン…」
思わず腰を上げたチャンモをインスクが引き戻した。
インスク「見つかるわ」
+-+-+-+
数え終わったドンウクのずっと後ろで、ユニはそっと幕の裏に身を隠した。
ドンウク「あいつらどこにいるのかな~」
幕の後ろでドキドキしていたユニは、ふと横に誰かがいるのに気づく。
それはイナだった。
彼女をまっすぐ見つめるイナの前で、ユニは先に彼から目を逸らす。
自分も目を逸らそうとし、もう一度向き直ったイナは…
イナ「…おめでとう」
ユニ「・・・。」
イナ「いや…そうじゃなくて」
ユニ「ありがとうございます。みんなが望んでたことだから」
イナ「・・・。」
ユニ「最初から、みんなが私に望んでたのはこういうことだったんでしょう。ドンウクさんと付き合うこと」
イナ「・・・。」
ユニ「イナさんも私に何度もそう言ったわ」
イナ「どうして…」
たまらずその場を離れ、幕の外へ出てしまうユニ。
+-+-+-+
ススキの中でのどかに座っていたチャンモとインスク。
「ねぇ…」 意味深に唇をアピールするインスクにドギマギしたチャンモは、
慌てて立ち上がり、声を上げた。
ドンウク「チャンモ!見つけたぞ」
座っているインスクの目に、愛しい彼とうららかな日差しが重なる。
インスク「眩しいわ…」
#この二人はユン監督に遊ばれてるな、完全にw
+-+-+-+
ちろちろと燃える火。
かまどに火をおこすドンウクのそばに座り、ユニはじっとそれを眺めていた。
ドンウク「煙たくない?」
ユニ「(ウンウン)」
ドンウク「あいつらに全部話したから怒ってるだろ」
ユニ「あ…ちょっと驚きはしました」
ドンウク「ごめん。来ないかと思ったんだ」
ユニ「・・・。」
ドンウク「実は今でも信じられない」
ユニ「・・・。」「
ドンウク「来てくれて本当にありがとう。これから大切にするよ」
真摯に話す彼に、ユニは優しく微笑みかける。
うれしそうに笑い返し、ドンウクが炎に向き直ると、ユニの表情から笑みが消えた。
+-+-+-+
「チャンモ兄」
素っ気ないチャンモをヘジョンが呼び止める。
ヘジョン「話があるの」
チャンモ「分かってる」
ヘジョン「・・・。」
チャンモ「ずっと好きだったろ」
ヘジョン「・・・。」
チャンモ「ずっと…すごく…そうだろ」
ヘジョンは黙って頷く。
ヘジョン「…そうよ」
チャンモ「全部分かってるから心配すんな」
ヘジョン「ごめんね」
何も言えず、手に持ったザルを彼女に放り投げるチャンモ。
チャンモ「そう思うならお前が摘んでこい」
彼は背を向けて歩き出す。
ヘジョン「言ってくれてありがとね」
チャンモ「そう思うなら倍摘んでこい!」
笑顔の戻った彼女はチャンモの後をついて歩き出した。
+-+-+-+
イナたちは女の子3人を前に曲を披露していた。
彼女たちから上がる歓声。
ドンウク「じゃあ1曲はこれにするとして、2曲目は…?」
ヘジョン「あれよ!イナ兄の曲」
チャンモ「そうだよ。もう出来たんだろ?」
イナ「いや、まだ全部出来てないんだ」
インスク「もぉ~じゃあ出来たところまで聴かせてほしいわ。早く!二人共降りてきて」
さっさと立ち上がり、客席に移動するドンウクとチャンモ。
ギターを構えたイナに一同は期待を膨らませる。
イナ「あ、ところで俺、みんなに話があるんだ」
ヘジョン「何?」
イナ「みんなの前で言いたかったから、ちょうどいい」
ヘジョン「どうしたの?」
チャンモ「お前!公開放送に出ないってんじゃないだろうな!」
イナ「・・・。」
チャンモ「ダメだぞ!(分からん!チャンモめーー!)」
ふっと笑い、「違うよ」と優しく否定するイナ。
ドンウク「また禁止曲でも書いたのか?」
イナ「・・・。」
チャンモ「違うって!そんな曲書かせたことないぞ。今度引っかかったらお仕舞いなんだ!」
イナ「そんなんじゃないんだ^^ 先に歌ってから話すよ。題名は…”愛の雨”。歌詞はまだ全部出来てないからハミングで」
チャンモ「おい、こないだ歌詞作ってたろ!」
イナ「・・・。じゃあ、少しだけ」
비 오는 저녁 그대 모습 보았죠
오래 전부터 보고 싶은 그녀를
우산이 없는 그녀에게 말했죠
내 우산 속으로 그대 들어오세요
La La La La La...
사랑비가 내려오네요
La La La La La...
雨降る夕暮れ 君の姿を見かけました
ずっと前から会いたかった君に
傘のない君に言いました
僕の傘に入ってくださいと
La La La La La...
愛の雨が降ります
La La La La La...
ユニの心には、その歌詞がみるみるうちにはっきりとした映像となって浮かんでいた。
それは彼女と彼の情景だったから…。
曲が終わり、「わぁ!」と賞賛する仲間たち。
インスク「最高だわ~!」
ドンウク「さすがソ・イナだ。なぁ、いったい誰のこと考えて書いたんだ?」
イナ「・・・。」
チャンモ「歌に出て来る人って誰なんだ?」
ユニ「・・・。」
インスク「誰なの?」
ドンウク「お前、例の3秒だろ」
一同「3秒?」
ドンウク「ひょっとして話って、歌に出てくる彼女のことじゃないのか?」
イナ「・・・。」
ユニ「・・・。」
イナ「話すよ」
「えっと…」イナは話そうとして口ごもる。
ヘジョン「何でそうもったいぶるの?」
チャンモ「そうだよ。サッと言っちまえ」
イナ「…あぁ。俺は…」
ユニ「・・・。」
+-+-+-+
え゛ーーーーーー! そーーーこーーーーでーーーーーー
と皆さんの叫びを集結してエンディングですw
いつも一杯一杯で、いちいち無駄に深刻なイナが愛しいですなぁ^^
いつも、こんなにすぐに翻訳してくださり、ありがとうございます。
返信削除ドラマのシーンにとけていくような、ひとつひとつの言葉が心に染みるセリフの翻訳、抒情的なト書きの描写には、きっと監督も喜んでくださる、そんな気がしてなりません。。。
映像に付けてUPしたい、日本でこのように、素敵に訳してくださる方がおいでになることをアピールしたいけど、意にそわぬことと察しまして、残念ながら、拙い感想を投稿するのみでがまんです TT
yujinaさん、続きのアップありがとうございます。
返信削除一文字一文字しっかり噛みしめました(笑)
実はひそかに緑の文字が好きです^^翻訳お疲れ様です。
こんなにモヤモヤする終わり方はないですが…
予告を見ると何だか距離が近づいたみたいで
次の映像を見るのをワクワクしています。
お早い更新をありがとうございました。
一番上の匿名様
返信削除管理人です^^
さっそく読んでくださりありがとうございます。
気に入ってくださって嬉しいです。
そうやって私の翻訳を他の人にも知らせたい…そう言ってくださるのは本当に光栄なことで、
できれば映像につけて楽しんでいただきたいところなのですが、
アップロードされたものはシェアされてそれをきっかけに広がります。
そうすれば私の訳が自分の届かないところに独り立ちしてしまうことになりますので、
修正したくなっても私自身で直すことも出来ません。
自分で自分の訳に責任を持つため、禁止事項に加えることにしました。
意を汲んでくださってありがとうございます。
これからも心を込めて訳しますね。
おはようございます。
削除今日、初めてこちらに入りました。
1話からまとめて読ませていただきました(^_−)−☆
素敵です。情景が浮かびます。韓国語が解らないので、想像力でカバーしてたのですが…改めて、小説を読むように入り込み 感動(((o(*゚▽゚*)o)))
続きのUPありがとうございます。
返信削除イナのもどかしい愛の表現は、ぐんちゃんの演技から、映像だけでも
感じとれますが、やっぱり、情景、表情だけでなく、俳優さんの
一言一言が、その表現に加わって、さらに素敵な映像になりますよね。
本当に、素敵な翻訳、ありがとうございます。
次回も楽しみにしています^^
素晴らしい訳と感情移入のコメントで、否が応でも物語に引き込まれました。最後のコメントに共感すると共に、大爆笑してしまいました。三話も楽しみにしています。
返信削除あ~~~・・・ (;_;) 昨日も 今日も・・・ 感動です!(T_T)!!!
返信削除本当に 感謝しています(;_:) ありがとうございます!!!!!
毎日 お仕事ですよね? 大変忙しい中 うなぎのために 無償でされている事
何と いってよいのやら・・・<(_ _)>
ありがとうございます<(_ _)> くれぐれも お体には気をつけて下さい!!!
yujinaさんはじめまして♪
返信削除Twitterの「ラブレイン」検索でこちらに辿り着きました!
映像だけでも切なさが感じられましたが、まるで小説を読んでいるかの如く素敵な翻訳に、また胸が締め付けられました。
初めて「秋の童話」で韓国ドラマにハマった頃の切なさが甦ります。
またお邪魔させて頂きます。
お忙しい中ありがとうございます。
おはようございます。
返信削除第1話もyujinaさんの訳のおかげでよーく理解できました。
そして、第2話もわからなかった部分がよく理解できました。
私は韓国語は勉強したことがないのですが、昨日参考書を買ってきました。
4月からはテレビの韓国語講座を見て勉強しようとテキストもそろえました。
まだまだ未知の世界ですが、頑張ってみようと思います。
また、楽しみにしております。
本当にいつも有難うございます。
yujina様 おはようございます。blogにリンクにリンクさせて
返信削除頂きたいのですがよろしいでしょうか?
韓国語が全く分からないので素早い翻訳に感動です。
素晴らしい翻訳で更に深く「愛の雨」が分かります。ありがとうございます。
blogアドレスを記入したら「不正な文字が含まれています」と出ます。
よろしくお願いいたします。
pafu様
削除管理人です。
翻訳を楽しんでいただけて嬉しいです。
リンクのお申し出、ありがとうございます。
アドレスを入力するとエラーが出るというのは、ここのコメント欄に…ということでしょうか。
ご迷惑をお掛けしてごめんなさい。後ほど原因を調べますね。
当ブログは自由にリンクしていただいてかまいません。
よろしければ一度、上部のメニューから「当ブログについて」をご一読ください。
ありがとうございます
返信削除今仕事帰りなのですが、真っ先にパソコン開いてチェックしてしまいました。
後半の訳が、出来上がっていて嬉しかったです。
後半ドキドキするせつなさが、つたわってきました。
また来週まで待ち遠しいですが、楽しみにしています。
第2話も翻訳本当にあり難いです。
返信削除こうして改めて見せて頂いて
又番組見直しました。
訳が分かるとその分ドラマに入り込めて
とっても嬉しいです。
本当にありがとうございます。
翻訳ありがとうございます。文章を読んでいると情景が思い出されます。
返信削除特に、イナが作った歌の歌詞を知ることができて感動しています。
yujinaさん おはようございます。
返信削除またまた素敵な翻訳ありがとうございます。
私も少しづつですが、韓国語を勉強していこうと
思ってます。こんなふうに訳せるようになれなけれど
このまま翻訳本で出版して欲しいくらい素敵な訳でした。
返信削除映像美、もどかしすぎるほどのイナとユニの心情が伝わってきます。
お忙しい中ありがとうございました。
yujinaさん はじめまして。。。
返信削除そっと読ませていただくには申し訳ない程、
感謝と感動の気持ちでいっぱいです。
本当に素敵な翻訳です。
一言お礼が言いたくて・・・
ありがとうございます。
初めまして・・・
返信削除韓国語ができない私・・・
訳して頂きありがとうございます。
お忙しいのに・・・すみません。
また NHKの韓国語講座頑張って勉強します。
yujinaさん、絶対面倒ですよね。。
返信削除でも、でも、 本当に 本当に 有り難いんです。
yujina,さんの訳を全部読んで、さらにプリントアウトして、それを片手に ドラマ見て。。。 本当に有り難いです。
面倒だとは存じますが、3話4話----- 20話まで おねがい申し上げます。
情景とばして 発した言葉、心の声 だけの訳でもいいです。
本当にありがとうございます。
JKS うなぎより。
あーーーっ。きれいな時間が終わってしまった。
返信削除すごく、息をつめて、映像をおもいうかべながら、読んでいます。
ドゥグンドゥグンです。
#もツボです。
反すうされて、自分に120%で吸収しています。
遅くってもいいです。これからもよろしくお願いします。
はじめまして。ある方のブログでこちらを紹介して頂きお邪魔するようになりました。
返信削除独学で韓国語を習得されたとのこと、ただひたすら驚きました。
韓国語だけでなく、翻訳に選ばれた言葉も場面を端的に説明する言葉も本当に素晴らしく、ドラマを見直すよりもより鮮明に映像が蘇ります。
そして、アップまでの速さ!!キャプチャーされた写真も織り込みながら、ここまでストーリーをほりさげられる能力の高さはもはや素人とは思えません。こうしてオープンにして頂き、頭が下がる思いでいっぱいです。本当にありがとうございます。
どうかこれからも、是非続けてください。よろしくお願い致します。
こんばんは、二話まで翻訳していただき、ありがとうございます。
返信削除紹介したいんですが、このブログお借りしても良いですか?
管理人です。
削除>ASAKOさま
リンクはもちろんOKです。
ありがとうございます^^
ユジナさん、こんにちは^^nekomusumeです^^
返信削除何度も何度も繰り返し映像を観て、そしてユジナさんの翻訳を読んで、1話2話の内容が完璧になりました^^ 以前のメリの時もそうでしたが、ユジナさんのお陰で本当に次の回が楽しみで、そして楽しく観る事かできています♪心から感謝です。ありがとうございます♥
これからまだまだ사랑비は続きますし、4話辺りから話しに動きが出てくるとの話。
楽しみで仕方がありません。
どうぞ、ユジナさんまたよろしくお願いします。
yujimaさん 翻訳あらすじありがとうございます。
返信削除すばらしい翻訳ですね。映像をもどかしく観ていたのですが・・・
このブログを見させてもらったら映像観てるより超感動しました!!
プリントアウトして再放送をもう一度じっくり楽しむつもりです。
ほんとに感謝します!!!
これからも楽しみにしています。
ありがとうございます!!!
yujinaさん
返信削除すみません
お名前まちがえました。
ごめんなさい!
他で訳つきを見てしっくりこなかった言葉が
返信削除yujinaさんの訳で心揺らすフレーズに!!!!
本当に有難うございます。
yujinaさん、はじめまして
返信削除素晴らしい翻訳をありがとうございます!
私は冬ソナからはまった典型的なタイプの
韓ドラファンとして、このドラマは原点に
戻ったような、そんな懐かしい気持ちで
見ております。
素敵な映像、音楽に、yujinaさんの
素晴らしい翻訳でユン・ソクホ監督の世界に
どっぷり浸かる事ができました。
ありがとうございます。
3話、気になりますね!
そして早く現代版のグンちゃんも見て
みたいです。
はじめまして(^.^)
返信削除とってもステキな翻訳ありがとうございますm(_ _)m
皆さん仰ってる通りグンちゃんの素晴らしい演技力のお陰でほんのりとは内容を理解出来るものの、やはり私の様な者にはとっても有難いです(*≧∀≦*)
所々入るミドリ文字のコメントにも共感して楽しいですヽ(*´▽)ノ♪
これから3話4話と続き私も翻訳を楽しみにしておりますが、どうかご無理だけはなさらないで下さいね♪
はじめまして! yujinaさん
返信削除素敵な訳...ありがとうございます、涙がでました。
訳を読んで映像が浮かびました。
切ない...続きが待ち遠しいです。
お忙しく大変だと思いますが、
これからも楽しませください!
よろしくお願いします(@^^@)/
yujinaさん
返信削除はじめまして
すばらしい翻訳ありがとうございます☆
本当に本当に、小説を読んでいくように
どんどん引き込まれます
せつない!苦しい!!でもたまらん!!
チャンベウ☆☆☆最高!!
私も、緑文字…かなりツボです^^v
そして…最後の一行
いちいち無駄に深刻なイナが愛おしい
もう大爆笑です!!
これからもお世話になります
こんにちは。
返信削除翻訳ありがとうございます。
2話での一番知りたっかた場面だったので
とても嬉しかったです。
リアルタイムは韓国語のみで視聴しているので、
役者さん、特にチャンベウの演技で内容を把握しているのですが、
細かい言い回しまではやはりわからず、見終わってから翻訳を読ませていただき
「あ~そういうことだったのね。」「やっぱりそうだったんだ」などやってます。
今年から韓国語を勉強するのですが、若くない頭が果たして働いてくれるのかと
不安はあります。けれど、この先もチャンベウの言葉を自分で感じたいので頑張ります。
これからも楽しみにお邪魔しますのでよろしくお願いします。
やっとコメントかけました。
え~そ~こ~で~ ですね、本当に(^_^;)
返信削除ありがとうございました。
字幕なしではわかりきらなかった所がよく、理解できました。
途中のコメントも面白かったです。
海苔巻きのシーンはどこへ?カットされたのかな。
一回目の放送は字幕なしでじっくりと、再放送を字幕を見ながらですね。
また、よろしくお願いします(^_^)ノ
はじめまして。
返信削除ほんとに素敵な翻訳、ありがとうございます。
韓国語を勉強していても、なんとなくでしか理解できなくて、
もどかしかったのですが、こちらの翻訳を読ませていただいて、
先のストーリーが楽しみで仕方なくなりました。
お忙しくて大変だと思いますが、これからの長丁場、無理をなさらず
ユジナさんんのペースで、楽しませてくださいね。
字幕なしで3回見ましたがどうしてもユニに冷たい言葉を言ってしまう台詞の部分が解らなくてお邪魔させて頂きました。読みやすく読んでいるとその場面が浮かんで
返信削除とてもせつなくなりました。愛の雨私はとっても好きなドラマになりました。3話が楽しみです。また訳せない時があったら助けてください!
こんにちは。
返信削除ドラマのイメージを壊さない翻訳、描写、胸キュンキュンしてしまいました♡
特に緑の文字が大好きです。今回の最後のお言葉も!
独学で、私も少しずつ韓国語がんばってリスニングできるようになりたいと、思いました。
本当にありがとうございます。
これからドラマ、先まだまだあります。お忙しいようですがどうぞよろしくお願いいたいします。
本当に楽しみにしております。
はじめまして(*^_^*)
返信削除素敵な翻訳ありがとうございます。
今日やっと、ドラマと翻訳をを照らし合わせながら2話まで見ることができました。
日本語字幕が出る前にドラマの内容がわかるなんて思ってもみませんでした。
これからもよろしくお願いします。
私も、韓国語わかるように勉強します。(>_<)
yujinaさん、いつもながらの丁寧な翻訳、どうもありがとうございました!
返信削除愛の雨はグンちゃんファンの私としてはずっと見たかったドラマです。
完璧な訳のお陰で字幕付き動画のごとくワクワクドキドキしっぱなしで2話まで一気に見ました。
イナの心情が手に取るようにわかり、切ない!3話がとっても待ち遠しいです。
yujinaさん、まったり、ゆっくりでかまいません!是非、最終回まで翻訳お願いします。