チャン・グンソク、少女時代ユナ主演、사랑비(サランピ)6話です。
偶然ぶつかり、偶然携帯がポケットに入り、
なりゆきで二人で山を登り、なりゆきで温泉にドボンしちゃった二人。
誰も聞いちゃいないのに「3秒男」をアピールし始めるジュンですが…
続きをどうぞ。
※すみません。今までハナの友人「チャンス」くんの名前を「チョンス」と間違って書いていました。これまでのものはそのうち直します。
+-+-+-+
ジュン「普通、俺みたいな男が”こんな気分は初めてだ”って言えば、大抵の女は傾くんだけどな」
ちっとも自分になびかないハナに、ついボヤくジュン。
そんな彼に今度はハナが仕掛けた。
ハナ「私のお母さんはね、生涯初恋を忘れられなかった。けど、その思い出のおかげでずっと幸せだったって。私もそんな恋がしたいな」
ジュン「・・・。」
ハナ「1秒、2秒、3秒」
ジュン「・・・・・・・・・。」
ハナ「こんな感じ?」
ジュン「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ハナ「どうしたの?こうやるんじゃないんですか?」
イナは何も言わず、彼女を抱き寄せた。
ハナ「な、何するんですか!」
ジュン「少しだけ」
ハナ「!」
ジュン「少しだけだ」
ハナ「・・・。何よ。頭おかしくなったんですか?!」
突き飛ばされてもなお、ジュンは彼女から目を離せずにいた。
ジュン「こんな気分…初めてだ」
ハナ「?」
ジュン「…それが抜けてたろ」
ハナ「・・・。」
彼の顔がじわじわと彼女に向かう。
#視線を唇にロックオンする。そして、女の子より先にさっさと目を閉じちゃう。
これぞ3秒男クオリティ(ぷぷっ
声「室長ーーーーー!」
ジュン&ハナ「!」
突然静寂を突き破ったその声に、二人はハッとして顔を上げた。
助手が走って坂を下りてくる。
助手「室長!そんなとこで何なさってるんです?」
+-+-+-+
ロッジからテソンが飛び出した。
#キャー 一睡もしてないだろうと思って心配してたのよ!
後を
チャンス が追いかける。
チョンス「ハナから電話あったじゃないか!すぐ来るって」
テソン「あれからもうずいぶん経ったろ」
チャンス「どこにいるか分からなのにどうやって探すんだよ。車もないし」
テソン「お前はここにいろ」
チャンス「うん!やっぱりそれがいいよね!僕が一緒じゃ機動力も落ちるし。ねっ♪」
テソン「行ってくる」
テソンは再び走りだした。
チャンス「気をつけてねーーーー」
+-+-+-+
ジュンたちを乗せた車が真っ白の雪景色の中を走り抜ける。
二人は視線も合わせられず、しかしお互いの存在をひたすら気にしながら、無言で後部座席に座っていた。
最初に沈黙に耐えられなくなったのは運転席に座る助手だ。
助手「(咳払い)あのぉ…」
ジュン「一言も喋るな」
助手「・・・。」
ハナ「・・・。」
助手「それじゃ…(小声で)あひるが凍ったらどうなる?」
ジュン「ウルサイぞ」
ハナ「・・・」
ジュン「携帯持ってきたよな」
助手はポケットからジュンの携帯を出す。
助手「あ、そうだ。ソ教授から電話がありました」
ジュン「・・・。」
助手「今、北海道にいらっしゃるそうですよ」
ジュン「何?」
助手「時間ができたら食事でもしようって」
ジュン「そんな時間どこにあるんだ」
助手「それでも、偶然日程が重なったのに」
ジュン「いらない」
助手「・・・。」
車内をさらに重苦しい空気が包んだ。
+-+-+-+
ホテルの部屋に戻ったジュンはソファの上でソワソワしていた。
洗面所の扉が開き彼女が出て来る気配を、全神経でキャッチした彼は、
慌てて気のないポーズを決め込んだ。
彼女は上半身に彼のワイシャツを着ただけで姿を現した。
あらわになった太ももが落ち着かず、しきりに裾を気にする。
ジュン「服はすぐ持ってくるらしいから待ってろ」
ハナ「・・・。」
ジュン「袖引っ張るなよ。いくらすると思ってんだ」
ハナ「(ジロリ)」
ジュン「(ボソッ)隠すものもないくせに」
ハナ「分かりましたよ!(ボソッ)誰のせいでこうなったのよ」
ジュン「立ってないで座ってろよ」
ハナは最大限彼から離れ、ソファーの隅っこにちょこんと腰掛けて、上着で下半身を覆った。
ジュン「寒いか?」
ハナ「(ふんっ)」
ジュン「・・・。」
ハナ「…どうしてあんなことを?」
ジュン「?何が?」
ハナ「さ、さっきの…あれ」
ジュン「な、何だよ!」
ハナ「・・・。」
ジュン「・・・。覚えてない」
ハナ「(呆)」
彼女は電源の入らなくなった携帯を、まだ離せずにいた。
「どうしよう~」と呟き、また彼を睨みつけるハナ。
ジュン「今度は何だよ!」
ハナ「少なくとも謝るくらいするべきでしょう?」
ジュン「壊れたら新しいの買えばいいだろ」
ハナ「最悪!」
ジュン「・・・。」
ハナ「電話が掛かってくることになってるのに」
ジュン「(イラッ)さっきから何度も。一体誰と会うんだよ?」
ハナ「お母さんの初恋の人」
ジュン「?」
ハナ「さっき話したでしょう?思い出のお陰で幸せだったっていう、その人」
ジュン「・・・。」
ハナ「その人が北海道にいらっしゃるって聞いたから」
ジュン「・・・。」
ハナ「絶対会いたかったのに…」
ジュン「何が初恋だよ。初恋なんてウンザリだ。会って何話すんだよ?お母さんはまだあなたのこと忘れられないんです、どうか一度だけお母さんに会ってください、そんな話でもするつもりか?」
ハナ「何ですって?」
ジュン「過去にしがみつく人間は信じられないね」
ハナ「しがみついてるんじゃなくて、大切にしてるんです」
ジュン「それなら一人で大事にしろよ。(?)」
ハナ「(呆)初恋に嫌な思い出でもあるんですか?それとも、さっきのお父さんの話は本当だってわけ?」
ジュン「・・・。」
黙りこんでしまったジュンに、ハナもそれ以上言葉を続けられなくなる。
沈黙が流れたところへ、ノックの音がした。
ホテルのスタッフが持ってきた服をジュンが受け取り、ぶっきらぼうにハナに差し出した。
ハナ「遅れてんだろ。着替えて、行けよ」
+-+-+-+
再びハナが洗面台に入る音がした。
早々にソファに座り、だんまりを決め込んだジュンの脳内を、ハナの3秒攻撃が襲う。
ハナ「1秒、2秒、3秒。こんな感じ?ふふっ♪」
頭を占領され、ちっとも落ち着かない。
ジュン「・・・。」
+-+-+-+
着替えを済ませ、すっかり元通りの服装で戻ってきたハナは、すぐにリュックを背負った。
ハナ「それじゃ、行きますね」
もともとハナの携帯だけで偶然会うことになった二人。
ここでハナが帰れば、それで縁も終わる。
ハナがペコリと頭を下げると同時に、ジュンが立ち上がった。
ジュン「送ってやる」
ハナ「あ…大丈夫です」
ジュン「俺のせいで壊れたって訴えられちゃたまんないからな」
彼はさっさと入り口へ向かった。
ハナ「故障ぐらいで訴える?」
彼女も後に続く。
+-+-+-+
二人がやってきたのは携帯ショップ。
スタッフの女性が「修理に時間が掛るかもしれないので、こちらから連絡する方法を教えてくれ」とハナに告げる。
ハナ「え?!じゃあ…私がベルンペンションに泊まっているのでそこに連絡ください」
彼女は連絡先を紙に書き始めた。
すかさずその紙にロックオンするジュン。
修理に時間が掛るかもしれない…。
女性スタッフに紙を渡し、ハナは恨めしそうに彼を睨みつけた。
+-+-+-+
ジュンの撮影隊がバンに乗り込もうとしていた。
重たい荷物を抱え、「今度はまた一体どこへ行くつもりなんだ?」と一人でボヤく助手。
そこへやって来たテソンは、すぐさま彼の荷物に手を差し伸べた。
助手「あ、ありがとうございます」
テソン「韓国からいらっしゃったんでしょう?」
助手「えぇ。どちら様で?」
助かった…。テソンはそんな表情で息をついた。
+-+-+-+
ジュンとハナは雪の中を歩いていた。
ハナ「1時間くらい掛かるって。約束は午後になるから大丈夫ですよ」
ジュン「・・・。」
ハナ「(立ち止まり)それじゃあここで」
ジュン「あぁ寒い!この辺はどこが美味いんだ?」
ハナ「え?」
ジュン「メシ」
ハナ「え?」
ジュン「メシ食おうぜ」
ハナ「え?!」
ジュン「お前は覚えてないかもしれないけど、俺たち昨日から腹ペコだろ」
ハナ「私、お腹空いてませんから」
そう言い終わらないうちに、空気を読んだ賢いお腹が「ぐぅ」と音を立てた。
ハナ「・・・。」
+-+-+-+
二人はこじんまりとした店の片隅で睨み合っていた。
ジュン「意地張るなよ。腹が鳴ったのも俺のせいか?」
ハナ「何で勝手に二人分頼むんですか?私は食べないわ。もともと携帯が水没しなかったらこんなことにもならなかったでしょ」
ジュン「もともとお前が人の部屋に忍び込んだりしなかったら…」
ハナ「もともと人の携帯を人質に取ったりしなかったら…」
ジュン「もともとお前が自分の携帯ちゃんと管理してれば…」
ハナ「・・・。」
ジュン「(ニヤリ)こんなこともなかったろ?ん?」
ハナはうんざりしてそっぽを向いた。
そこへ料理が運ばれてくる。
目の前の美味しそうな料理に、思わず顔を輝かせるハナ。
店員「おかわりは”るるる~♪”と言ってください。ごゆっくりどうぞ」
ハナ「はい」
店員が立ち去ると、ジュンが不思議そうに尋ねる。
ジュン「おい、何て言ったんだ?」
ハナ「お代りしたかったら”るるる~”って言えって」
ジュン「…何だよそれ。食べないんだよな?」
そう言ってハナの皿に伸ばした手に、彼女は咄嗟に皿を掴み、引っ張った。
呆れて笑い、手を離すジュン。
二人は同時に食べ始めた。
ハナ「んふ~♪」
ジュン「・・・。」
美味しそうに食べるハナを、ジュンはしきりに見つめる。
そして、脇の小窓に指を伸ばし、何か書いた。
「?」
ハナ「?」
ジュン「何だ?」
ハナ「何が?」
ジュン「名前」
ハナ「知ってどーするんです?お互い名前なんて知らないほうがいいでしょ」
彼はふたたび窓に付け加えた。
「!」
ジュン「それはこっちのセリフだ。るるる」
ハナ「るるる?」
ジュン「あぁ。るるる」
ハナ「誰の勝手で”るるる”なんですか?」
ジュン「俺の勝手だ。るるる」
ハナ「・・・。」
ジュン「聞こえないのか?るるる」
ハナ「・・・。」
ジュン「ほぉー、よく食うな。るるる」
ハナ「・・・。」
ジュン「ホントに聞こえないのか?るるる」
ハナ「・・・。」
ジュン「ちょっとこっち向けよ。るるる。るるる!」
+-+-+-+
食事を済ませた二人は、ふたたび街へ出た。
ジュン「ここはどこ行っても雪だな」
ハナ「(咳払い)あのー」
ジュン「何だ?るるる」
ハナ「…全く」
ジュン「・・・。」
ハナ「ここでお別れしましょ」
ジュン「・・・。」
ハナ「車はそっちなんでしょ?あと少しだし、私一人で待ってますから」
ジュン「トーゼンだろ。何で俺が一緒に待たなきゃいけないんだよ」
ハナ「(呆)えぇ、そーですよね」
ジュンは思わず寂しそうに俯いた。
ハナ「じゃ、これで」
ジュン「気をつけてな。るるる」(←この瞬間キリっとなった目がかっこいいね^^
ハナ「・・・。」
彼女は背を向けた。
遠ざかっていく背中を見送り、ジュンも急に静かになったその場を持て余すように背を向ける。
何歩か進んだところで、やっぱり振り返ってみた彼は、もう一度遠ざかっていく背中を見送り、再び歩き出した。
ハナもまた、曲がり角に差し掛かったところで振り返ってみる。
目の前で彼の背中が小さくなって行った。
+-+-+-+
もう一度振り返ってみたジュンの視界に彼女の姿はなかった。
ジュン「!」
彼女の姿を探し、思わずため息をつくジュン。
ふと店のウィンドウに飾ってあるコートに目が止まった彼は、店へと歩き出した。
+-+-+-+
ハナ「私のおかげで撮影場所も見つけたのに、ありがとうの一言もないなんて」
彼女の頭の中もまた、ジュンに占領されていた。
ハナ「それに!私が手を温めてあげたでしょ、温泉も見つけてあげたでしょ、服だって…。服!」
慌てて自分の服を確かめた彼女は、今歩いてきた道を走って戻り始めた。
+-+-+-+
店の中で気に入ったコートを羽織ってみようと上着を脱いだ彼は、突如中から現れたピンクのベストに気付いた。
ジュン「はぁ…」
購入するコートを決めた彼に、店員が尋ねる。
店員「ピンクの服は別にお包みしましょうか?」
ジュン「もう会うこともないしな…。(店員に)ピンクのやつは捨ててください」
+-+-+-+
ハナ「行っちゃったのかな?」
戻ってきた彼女は、ある店から出てきた女性が見覚えのあるピンクのベストを手にしているのに気付いた。
ハナ「あ!すいません!(女性に)これ、どこで?」
女性「お客様が捨てるようにとおっしゃったので」
ハナ「え?!」
+-+-+-+
店内ではジュンがまだ女性用の服を買っているところだった。
店員に渡し、「買っても無駄かな?」とつぶやく。
そんな彼の後頭部を何かが襲った。
それはピンクのベスト。
ジュン「何だよ!!!」
振り返った彼の後ろに立ってたのは、怒りをその目一杯に溜めたハナだった。
ジュン「!」
そのまま何も言わずに出ていく彼女を、彼は追いかけた。
ジュン「待てよ!」
ツカツカと歩いて行く彼女の腕を後ろから捕まえる。
ハナ「!」
ジュン「何いきなり投げつけてんだよ!(拾ってきたベストを突きつけ)持ってけ。これ取り戻しに来たんだろ」
ハナ「何ですって?」
ジュン「もう着ることもないから、他の物に着替えた。もう会うこともないから返すことも出来ない。だから捨てるように言った。何だよ。そんなに悪いことか?」
ハナ「・・・。」
ジュン「…全く。こんなもん一つで」
ハナ「(怒)そうね!投げつけて悪かったわ!」
ジュン「?」
ハナ「こんなものでも、私にとってはめちゃくちゃ大事な服なんだから!」
ジュン「・・・。」
ハナ「なのにそんな大事なものをお宅に投げつけたりして、すみませんでしたね」
ジュン「何だと?」
彼女の目に涙が滲んでいた。
ハナ「もっと言いたいことは一杯あるけど、言う時間も勿体ないからもう一人で怒ったりしません」
ジュン「・・・。」
ハナ「けど、もう二度とお宅みたいなろくでなしには会いたくないわ」
ジュン「・・・。」
言葉を失った彼の前で、彼女が背を向けた。
ジュン「待てよ。待てってば!!!」
追いかけてもう一度腕を掴む。
その瞬間、反対の腕を違う手が掴んだ。
ハナ「先輩!」
「何だ、お前」…テソンとジュンが同時に口を開く。「離せよ」
テソン「(ハナに)どうしたんだ?」
ハナ「何でもないよ」
ジュンの手を振り払った彼女は、テソンの方へ歩み寄った。
ジュン「何だと?何でもない?」
ハナ「何でもないから(テソンに)行こう」
まだジュンを気にしているテソンを、ハナが押し出すように歩き出した。
またまた遠ざかっていくハナの背中。しかも突然現れた男にかっさらわれた上でだ。
ジュン「(呆)…大胆にも!俺に向かって!」
後を追おうとした彼に、店員が声を掛けた。「忘れ物です」
乱暴に服の包みを受け取り、すぐさま彼女を振り返った彼は、怒りが収まらないままその背中を睨みつけた。
+-+-+-+
「え?直せないですか?」
戻ってきた携帯ショップで、ハナは目を丸くしていた。
メインの基盤に水か入ってしまい、故障が出来ないことが分かったのだ。
ハナ「…結局会えなくなっちゃった」
テソンは黙って彼女の小さな肩に手を置いた。
ハナ「・・・。」
+-+-+-+
そして、ホテルの前へ戻ってきたジュンはイライラと車のドアを閉めた。
ジュン「恐れ多くも俺の手を振り払うとは!」
そこへスタンバイを終えて待ち構えていた助手が駆けて来る。
助手「室長、どうしましょう。スタンバイしてありますけど」
ジュン「電話しろ」
助手「え?」
ジュン「パン部長に電話するんだ。撮影場所見つけたってな」
助手「ホントですか!!!(スタッフたちを振り返り)車に乗って!スタンバイですよ!」
ジュン「それから、今日の撮影はナシだ」
助手「?!」
助手は慌てて「今日撮影ナシですって!」と叫ぶ。
ジュン「明日4時スタンバイだ」
助手「(周囲に)4時だそうです!…4時?」
+-+-+-+
部屋へ戻った彼はそこでまた立ち止まった。
ジュン「恐れ多くも!俺の手を振り払うとはな」
イライラとベッドに座り込んだ彼の頭に、目に涙をにじませた彼女の顔が浮かぶ。
ハナ「もう二度とお宅みたいなろくでなしには会いたくないわ」
イライライラ イライライラ…。
ジュン「で、あの男は一体何者なんだ?」
+-+-+-+
ハナとテソンは二人で雪道を歩いていた。
テソン「会う人ってお母さんの初恋の相手だったのか?」
ハナ「うん。絶対に会ってみたかったの。はぁ…。それであんなに携帯を取り戻そうとしたのに」
テソン「大変だったな。で、お前の初恋はいつだったんだ?」
ハナ「え?」
テソン「・・・。」
ハナ「せ、先輩ったら。あはは♪えへへ♪そんなものあるように見える?」
テソン「ないのか?」
ハナ「・・・。」
テソン「悔しいな。ダイヤモンドスノー、その男と一緒に観に行ったのか?」
ハナ「先輩!それ無効!絶対に無効だってば!」
テソン「(笑)その代わり、オムカレー屋に行こう」
ハナ「え?」
テソン「絶対行きたいって言ってた店、俺と一緒に行こう」
ハナ「…うん^^;」
ハナはさっきジュンと言ったばかりの店に、もう一度舞い戻ることに。
そして…
テソンが食べ終わる頃、ハナはまだたくさん残っている皿を持て余すようにつついていた。
テソン「何で食べないんだ?あんなに食べたがってたのに」
ハナ「た、食べてるよ。美味しいなぁ…」
テソンはふと小窓に残った落書きに気づく。
「?」「!」
テソン「おっ、恋人同士でふざけ合ってたのかな」
ハナ「ごほっ ごほっ」
ハナは慌てて手でグシャっと落書きを消した。
ハナ「恋人同士だなんて!あはは~」
テソン「?」
ハナ「食べようよ~。食べないの?美味しいのにぃ」
テソン「分かった^^」
ハナ「美味しいな♪ふふっ」
+-+-+-+
気を取り直し、ジュンは撮ってきた写真のチェックに取り掛かった。
ジュン「そうだよ。これなんだよな!」
写真を次々と切り替えていくと、ふいに画面いっぱいにハナの笑顔が現れた。
ジュン「・・・。」
彼は思わず咳払いをし、カメラをバッグへ戻す。
ジュン「何だよ全く」
ふと目が止まったのは、さっき立ち寄ったショップの服が入った紙袋。
ジュン「・・・。」
+-+-+-+
テソンとハナは、バスでやって来た
チャンスを走って迎えた。
ハナ「だいぶ待った?」
チャンス「ううん。会えた?」
ハナ「会えなかった…」
チャンス「きっと会えるよ^^」
ハナ「バスはこっちだよね」
チャンス「うん」
三人は揃って歩き出した。
+-+-+-+
イナはタクシーに揺られていた。
イナ「午後に会うことになっている学生の件はどうなりました?」
スタッフ「連絡がつかないんです。もう気になさることはありません」
イナ「・・・。」
ふと窓の外に目をやると、そこには楽しそうにじゃれあっている若者たち3人の姿。
イナはそのまま他の景色に視線を移した。
+-+-+-+
むっつり座っているジュンの元へ、助手が絵コンテを持ってくる。
助手「そうだ。あのお嬢さん、無事に帰りました?」
ジュン「・・・。」
助手「男性には会いました?」
ジュン「?」
助手「携帯を修理しに行ったって知らせたんです」
ジュン「・・・。」
助手「その男が彼女の恋人なんだろうな。めちゃくちゃ心配してましたから」
ジュンはたまらず立ち上がった。
+-+-+-+
久しぶりに富田ファームへやって来た三銃士たちは、さっそく温室へやって来た。
苗を植え付ける
チャンスを、ハナとテソンが眺める。
ハナ「どうしてビオラを?」
チャンス「お前と先輩に、僕からのプレゼントだよ」
ハナ「プレゼント?」
チャンス「1年のとき、ここで一緒にバイトして初めての花だったろ。二人がソウルに帰っても、ここで泣いたり笑ったりして幸せに暮らしたこと忘れないようにね」
ハナ「チャンス…。じゃあこれを植えるためにずっと持ち歩いてたの?」
チャンス「アクセサリーでも持ち歩いてると思った?重くて大変だったよ」
チャンスがずっと大切に抱えていたビニール袋。
それは、二人に贈ろうと思っていたプレゼントだった。
チャンス「これがちゃんと育ってるか気になったら、僕に会いに来てよ」
ハナ「ずっとお別れするみたいなこと言わないで」
テソン「ビオラの花言葉、(?)」
チャンス「ううん。”これぞ愛だ”って言葉もあるんだ」
ハナ「うん、そうだね。”あなたのための愛”。あ、まだある。”あなたのための幸せ”」
テソン「”私を覚えていてください”」
チャンス「僕たち、変わらずにいような!」
3人はしっかりと手を重ね、笑い合った。
+-+-+-+
ハナたちが宿泊先のペンションに戻ってくると、
そこで憮然としたジュンが彼女を待っていた。
ハナ「・・・。」
ジュン「・・・。」
テソンたちと別れ、テラスの片隅にやって来る二人。
先を歩いてきた彼は、立ち止まると、彼女に背を向けたまま動かない。
ハナ「何です?(ボソッ)どうやってここを…」
ジュン「(振り返り)そんなことが重要か?」
ハナ「私にまだ何の用があるんですか?」
ジュン「・・・。」
ハナ「何なんですか?」
ジュン「その…」
ハナ「謝るつもりなら…」
ジュン「俺、絶対謝ったりしないからな」
ハナ「そうね。謝らないで。謝ったらタダじゃおかない」
引き返そうとした彼女の腕をジュンが掴んだ。
その手に持っていた紙袋を黙って突き出す。
ハナ「?…何ですか?」
ジュン「服」
ハナ「?」
ジュン「お前の服、見てられないから一つ買った」
ハナ「(呆)こんなもの受け取りませんから」
突き返そうとした彼女の腕をもう一度掴む。
ジュン「受け取らないなら捨てろ」
彼女の手に無理やり紙袋を握らせた。
ハナ「捨てろ?エラく捨てるのが好きなのね。お断りよ!」
彼女は、逆に紙袋を彼に握らせた。
その腕をまた彼が掴む。
ハナ「!」
ジュン「・・・。」
その目に毒気はなく、訴えているかのように彼女を見つめていた。
ハナ「何ですか?」
どうしても上手く言葉の出ないジュン。
彼は代わりに大きなため息を吐き出した。
ジュン「どうすりゃいいんだ?」
ハナ「?」
ジュン「そうだろ。友だちになろうとしたって水準が違いすぎて話も通じないだろうし、遊び相手には退屈すぎる。だからって連れ歩いて人の目にさらすわけにもいかない。一体どうすりゃいいんだよ」
ハナ「そ、それって…どういう意味ですか?」
ジュン「・・・。」
ハナ「ひょっとして…私のこと好きなんですか?」
ハッとしたジュンは咄嗟に言葉を出せずにいた。
ジュン「・・・。」
どうしようもなくなって、とにかく掴んだままの手を離す。
ジュン「はぁ…。(ぶつぶつ)あ゛ーワケわかんねー」
ハナ「・・・。」
ジュン「やめようぜ」
歩きながらぶつぶつと悪態をつくジュン。「悪いもんでも食ったかな」「来たのが間違いだった」
#君もこれからテギョンヒョンニムのように独り言が増えていくのか
それでもやっぱりそのまま帰れないジュンは、もう一度彼女を振り返った。
ジュン「おい!」
そこへ携帯電話が鳴り始める。
ジュン(電話)「後で電話しろ」
助手(電話)「室長、大変です!撮影場所の許可が下りなかったんですよ。室長に来ていただかないと。今すぐ来てくれなきゃダメですよ。8時までに来なかったら撮影許可は出せないって」
電話が切れた。
ハナ「じゃあ…先に行きますね」
ぎこちなく彼の横を通り過ぎるハナ。
ジュン「待てよ」
ハナ「!」
ジュン「すぐ戻ってくるから、ちょっと待ってろ」
紙袋を彼女に握らせ、彼はさっさと歩き去った。
ハナ「ちょっと!」
ドアがバタンと閉まる。
ハナ「何よ…。怖い顔しちゃって…」
+-+-+-+
ここで一旦区切ります。
うーん、ちょっと自然な口調や表現がスルスル出て来ない。
通して読むと不自然なところがあるかも。うぐー
あ、ほんのちょっとした調子の良し悪しなのでご心配なく^^
yujinaさん、お疲れさまでした~♪
返信削除今回も美しい小説を読んでいるように、どんどん物語に惹きこまれました。
後半も楽しみにしております(^o^)
今回も翻訳ありがとうございます。
返信削除ジュンくんには瞬殺される予定だったのに、中々墜ちきれなかった私ですが、その理由は、やはり言葉の問題なのかも。
こちらで、ジュンくんの言っていたことを知り、ようやく彼のことが分かってきました。
そろそろ墜ちれそうです( 〃▽〃)
ありがとうございます。
今回も素早いアップ、感謝しています☆
返信削除本当に分かりやすく、アップされるのが待ち遠しいです♪
後半も楽しみに待っていますね♪
もちろん、お身体や睡眠、第一優先で、、、
いつもありがとうございます!
返信削除楽しく読ませて頂いてます(^人^)
ユナのYシャツ姿、、鼻血でそうです\(//∇//)\
また楽しみにしていま〜す。
おはようございます♪ありがとうございます!
返信削除朝から「るるる♪」にテンション上がります\(≧▽≦)丿
後半も宜しくお願いしますm(_ _)m
売り言葉に買い言葉の場面 素直になれない雰囲気は伝わるのですが こうして翻訳をして頂いたのを読むと 自分の中のもやもやした霧が晴れるようにすっきりしました。ありがとうございます。
返信削除yujinaさんの翻訳を毎回読むのを楽しみにしています。
朝からテギョン再来は間違いなかったと一人電車の中でもほくそ笑んでいます(*^^*)後半も楽しみにしています。いつもありがとうございます♪ルルル♪
返信削除おはようございます。
返信削除本当にyujinaさんの訳のおかげで、話がよく見えてきました。
いつもいつも感謝しております。
お体に気をつけてくださいね。
るるる♪ いたずらっ子の表情が可愛かったですね♥ 今回も何度もブログ読み直してます。ほんとにYujinaさんの翻訳が大好き(^ ^)ドラマ見る前に読んで、ドラマ見て、見終わったらまた読んで。セリフがキャラクターにぴったりのいいまわしになってるし、シーン描写もドラマ以上に⁈素敵。Yujinaさんのブログに出会えてドラマの楽しさ倍増です。ほんとにありがとうございます(^ ^)
返信削除初めまして、1話から、毎回、楽しみに読んでます。
返信削除本当に感謝です。
今回のジュン視線点々矢印が笑えました!!!
いつもありがとうございます。
返信削除ドラマとはまた別物の小説みたいに読ませてもらっています。
キスする時、女の子より早く目を閉じるのは3秒男のクオリティなんですか?!
私は早すぎるよ~と残念に思っていたのですが、
そういうことなんですか・・なるほど。
こんにちは!管理人です。
削除すみませーん!^^;;;
「3秒男のクオリティ」っていうのは皮肉です。
伝わりにくかったかもですね~。
ちょっと後で直そう。
ありがとうございました♪
本当にいつもありがとうございます。
削除すばらしいです。
言い得て妙!!!・・だと思いました~('v')(^O^)/
自然に素直に引き込まれてしまいます。
文体の使い分けがとても有効的でわかり易いです。
行間の感想も大変楽しいです。
ご多忙中ご苦労も多い事と思いますが大変勝手でとても恐縮なのですが、
兎に角楽しみにしておりますので、
今後もよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。
返信削除旭川で見た、どうしてピンクのベストが捨てられるんだろう?とか
何故、ジュンはハナの腕を掴むんだろう?って思ってたシーンが
あ~ゆ~流れだったんですね~。
そして、yujinaさんの翻訳でセリフの内容も分かり
1ケ月越しで理解しました(^^)
後半の訳も待ち遠しいです♪
6話の翻訳首をなが~くしてまってました。いつもありがとうございます。
返信削除見終わってため息、なんて素敵な訳♥
「ちょっと自然な口調や表現がスルスル出て来ない。通して読むと不自然なところがあるかも」っておっしゃてますが、「これで?!」全然、全然!!すごく自然な言い回し、表現!とても自然なセリフ&途中の色を変えてらっしゃる感想とか。共感、ふふっ♥感動しております。
ああ来週の月曜が待ちどうしいです。
はじめまして。
返信削除毎回、楽しませていただいてます。
現代編に入り、ラブコメになり、めちゃくちゃ早口に。溜もないし、リアル視聴は時々途切れちゃうし、も〜こちらでよ〜く復習させていただかないと、入り込めません。
これからも頼りに楽しみにしてます。
宜しくお願いします。m(_ _)m
ユジナ~♪さんありがとうございます。素敵な小説読んでいるかのようです。ドゥグンドゥグンしながら読んでます!後半楽しみにしてます。
返信削除毎度毎度素敵な翻訳、ありがとうごじゃいます!
返信削除時々入るyujinaさんのつぶやきコメも大好きです。
セリフももちろんですが、セリフのない場面の解説が秀逸でいつも感心しています。
>空気を読んだ賢いお腹が「ぐぅ」と音を立てた
なんて、もう素人技とは思えません!
これからも楽しみにしていますね。よろしくお願いいたします。
はじめまして、翻訳を読ませていただきました。
返信削除えっと…普段からいろいろ思うことあれど
コメを書かない派ですが…根っからの面倒くさがりなもので(笑)
でも久々に書いております。
読んでいて、頭の中にあった疑問符がいくつか消えました。あ〜そういう意味なんだ、あ〜そうつながるのね…といった感じです。
長々と重ねず、的確な 日本語に笑いやせつなさ、
ドキドキします。
また読みに参ります。
三秒落ちジュンに幸あれ♪( ´▽`)
素敵なのに,なんだかちょっとユニークでカッコ悪いジュンにハマりました~
返信削除現代版になって掛け合いが面白くなっている分,内容が分かるのは本当にありがたいです.
それにしても,本当にジュンは3秒で落としてきたのか??? プププ かわいいからいいですけどwwww
こんにちは、いつもありがとうございます(´∀`)
返信削除ジュン、意外にも恋に不器用すぎですね~(´∀`)クク
イナにも愛着があったため、親子の共演も楽しみですし、
ハナがどうやって恋に落ちていくかも楽しみですね(^-^)
その描写が丁寧に描かれてくれるといいなあと思います。
そしてそんなドラマに求めることは、
男女とも内面的にも魅力的であってほしいことですね(´∀`)
ありがとうございます♪
返信削除るるる♪るるる~の連呼の意味がやっと分かりました!(^O^)
キタキツネを呼ぶ時の、蛍のるるる~(北の国から)‥倉本聰ファンとしても嬉しい響きです♪
空気を呼んだ賢いお腹♪~ツボに入りました!(^o^)
ロッオン!勇者ソ・ジュン!←ダルタニアン?
本当に本当にありがとうございます!
勇者ソ・ジュンの健闘を祈ります!
こんにちは、いつもyujinaさんの翻訳楽しく読ませていただいてま~す♪
返信削除後半も楽しみにしてます。よろしくお願いします。
いつもありがとうございます。yujinaさんの翻訳、小説を読むように楽しませていただいてます。現代版は会話の内容がわからないとドラマの世界に入り込んでいけないので、ここの翻訳が本当にありがたいです。後半も楽しみにしています。
返信削除ありがとうございます。
返信削除言葉が映画にぴったりでとてもいい映画だとわかりました。
yujinaさんのおかげで映画にのめり込めます。
それにyujinaさんのコメントにうなずいたり、笑ったりでそれもとっても楽しいです。
こんにちは、いつもありがとうございます。
返信削除露天風呂とカレー屋さんのるるるが気になってたました。
ジュンって、3秒で落とす魔性の男って言われてますが、要は恋愛出来ない小心者なんですね?
イナ以上に根は純情なんですね?
何か、ハナに遊ばれてる感じが可愛いです。
はじめまして、yujinaさん。
返信削除毎回とっても楽しみに読ませてもらっています。
素晴らしい翻訳、感謝、感謝、いくら感謝してもしきれないくらいです。
場面の状況説明の文章も絶妙!
ところどころに出てくるyujinaさんのつぶやきも最高!
他の方もおっしゃるように、まるで小説を読んでいるみたいです。
ほんとに素晴らしい文章表現力をお持ちですね。
言葉が分かるとサランビ何倍も楽しめます!
私は「3秒男のクオリティ」って表現、ウィットに富んでいてとっても好きですよ。
毎週の放送とyujinaさんの翻訳、本当に楽しみです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございます(^.^)
返信削除素敵な 言葉 に ドキドキです♪
はじめまして、yujinaさん。
返信削除こちらのブログを見つけた時は、とても感動しました。
ありがとうございます。
はじめまして!お忙しい中ありがとうございますm(__)m 毎週とっても楽しみにしてます!! コメントも好きですよ( ´艸`)
返信削除いつもありがとうございます^^
返信削除あのカレーを食べたお店の話していた会話がとっても気に
なっていました。
言葉の分からない私ですが、もともと・・・もともと・・・と、2人で
やり合ってたんですね。ぐんちゃん、ユナちゃんの表情も面白くて・・・
yujinaさんのチョコッと書かれているツッコミのコメントも面白く
拝見しています^0^
後半、楽しみに待っていますね。
いつもありがとうございます。
返信削除何度も繰り返し読ませてもらっています。
素敵な翻訳に感動です。
後半を楽しみにしています。
ジュンがとにかく可愛いのひとことです(*^^*)素直じゃないとこいちいちひとりツッコミしちゃってます♪♪yujina さんの翻訳のおかげで細かいところ迄わかって何倍も楽しませて頂いてます。これからますます楽しくなってきそうですね。引き続き読ませていただきます(^o^)/楽しみにしていますが、あまり無理なさらないでください。
返信削除とても魅力的な記事でした!!
返信削除また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。